株主・投資家の皆様へ

当社は高品質なソフトウェアを通して新しい社会の実現に貢献することを企業理念とし、創業以来、組込みソフトウェア開発の技術参謀として製造業のお客様のソフトウェア開発における課題解決を担ってまいりました。

現在の世界は「VUCAワールド」と呼ばれ、変化が激しく予測が難しい時代です。このような環境では、一度に完璧な解決策を見つけるのは難しいため、仮説を立てて小さなステップで試し、結果をフィードバックとして取り入れ、仮説を修正または改善するアプローチが有効です。

従来のトップダウン型のアプローチでは、最初に明確な目標を設定し、その目標に向かって一連のステップを順次進めます。この方法は安定した環境では効果的ですが、変動が激しい現代のビジネス環境では柔軟性に欠けることがあります。

一方、仮説検証型のボトムアップアプローチは、仮説を立てて迅速に検証し、フィードバックを基に改善を繰り返す方法です。このアプローチは、環境の変化や新たな要件に迅速に対応でき、リスクを早期に発見して対策を講じることができます。また、ユーザーのフィードバックを取り入れることで、ニーズに即した改善を目指す文化を促進します。

この仮説検証のアプローチを実践する上で欠かせないのがソフトウェアです。解決策を事前にシミュレーションして検証し、その結果を迅速にアップデートすることは、ソフトウェアなしには実現できません。最近よく聞く「ソフトウェアデファインド」という言葉は、まさにこの仮説検証のアプローチを実現するために、ソフトウェア主体で解決策を構築することを指します。

さらに、AIの活用がこの仮説検証型の開発をさらに促進します。AIは、大量のデータを迅速に分析し、パターンを見つけ出し、新たな仮説を自動的に生成する能力を持っており、開発プロセスが効率化され、より迅速かつ精度の高いフィードバックが得られます。AIは、開発者が見逃しがちな洞察を提供し、より革新的なソリューションを生み出す手助けをします。

また、昨今の地球環境や社会情勢の変化に伴うさまざまな社会課題に対しても、AIと仮説検証型の開発を組み合わせることで、効果的な解決策を迅速に提供することが可能となります。

エクスモーションは、仮説検証型の開発を進めるために必要なソリューションと、生成AIを活用したエンジニアリング支援サービスを提供しています。VUCAワールドをソフトウェアデファインドで乗り切るための切り札としてご活用いただけるよう努力してまいります。

今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役社長 渡辺 博之